新潟の雨漏り修理 オーバーフロー
関東~東北に掛けての大雨で甚大な被害が出ました。亡くなられた方にお悔やみを申し上げるとともに、被害にあわれた皆様にお見舞い申し上げます。
最近の気候は、以前と違ってきているような気がします。大雨・洪水・土砂災害、暴風・突風・竜巻など以前ではめったに起こらない災害が、毎年日本のどこかで起こっている。私が新潟に戻ってきてからも、1998年、2004年、2011年と大きな水害があり甚大な被害が出たと記憶しています。1998年の水害では弊社近隣でも道路が川のように冠水し、建物、車両などに大きな被害が出ました。治水対策、防災対策など行政に頼る部分が大きいところではありますが、身を守るため何ができるのか日頃から考える事が本当に大切だということを痛感しました。一日も早い復旧を心よりお祈りいたします。
非常に強い雨が長時間続いた今回の雨ですが、このような雨の場合、樋、排水口などの排水容量が、降水量に対し不足となるオーバーフローという現象が起こりやすくなります。竪樋、軒樋、排水口は排水能力を計算し、適切な配置になるよう設計します。ところが想定以上の大雨により、排水能力を超えた場合は当然のことながら雨水は行き場を失いあふれ出します。屋根にかかる軒樋からあふれた場合は、比較的雨漏りの心配も少ない(とはいえ屋根と外壁の取り合い部分、窓周りなどは雨漏りが心配なケースもあります。)と思いますが、ベランダ、屋上などの場合オーバーフローにより深刻な雨漏りを起こすケースもあります。
50年に1度の大雨など想定を大きく超えるケースは致し方ない面もありますが、日頃の大雨でオーバーフローによる雨漏りが起こっているのも事実です。
ケース1.屋上のオーバーフロー
もう10年近く前になると思いますが、新潟市内のビルの屋上階下のベランダより漏水がありました。こちらのビルは当時、弊社で屋上防水のみ改修工事をさせてもらったばかりです。こちらのビルは4F建てで、4Fベランダと屋上の排水竪樋がつながっていました。原因は1F竪樋と雨水ますの接合部分に何らかの原因で石が大量に入り詰まった事による逆流でした。普段の雨ではまったく気にならなかったそうですが、短時間に大量の降水があり竪樋の中に詰まった石により排水容量が減少、行き場を失った水は1Fから4Fまでたまり、4Fベランダの排水口からいきおい良く噴出し・・・4Fベランダはすぐにプール状態となり建物内部への漏水となったそうです。連絡をいただき、現場に行ってみると「竪樋のつまりに拠る逆流」という事はすぐにわかりましたが、どこにつまりの原因があるのかわからず、修理のしやすい1F部分の竪樋を切断した途端、大量の石がでてきました。すべての石をとり排水を修理し、逆流は収まりました。このケースの漏水が2013年にも1件だけありましたが、なかなか珍しいケースです。
修理を終えた後ビルオーナーさんが
「屋上の防水を改修してもらったら、屋上の排水口の詰まりやたまり水の流れがあまりにもよくなった。以前は屋上がプールになっていたので今回のような雨漏りにならなかったのかな・・・?」と仰っていました。
ケース2.ベランダ防水のオーバーフロー
2例目は木造住宅ベランダのオーバーフローです。
こちらのケースベランダを利用する機会が減ってきたお宅でした。お子さんのおもちゃやガーデニング道具、肥料などベランダが物置のようになっていました。このような状態で、短時間に大量の雨が降り・・・ベランダにあったビニル袋が流され、ピッタリと排水口にふたをしてしまいました。まだまだ雨はつづきます。
当然のことながらベランダはプールに・・・お子様のプラスティックのおもちゃがベランダに浮いていたそうです。雨がやみ、連絡をいただいたあと水貼り試験などを行いましたが、ベランダ防水には漏水を引き起こすような原因はありません。排水口をふさいだビニル袋が原因のオーバーフローによる漏水ということでしばらく様子を見ていただきました。(そのご連絡は頂いていませんが・・)
今回のケースはビニル袋でしたが、苔、ごみ、泥など排水口がついまる原因は様々です。このようなケースは定期的にベランダを清掃、整頓する事でかなり防ぐことができます。《台風でビニル袋などのごみが飛んできて、排水口をふさいだケースもありましたのですべてを防ぐとは言い切れません》
地球規模の異常気象などという言葉を耳にすることもすくなくありません。実際に日本各地で大雨、突風などによる甚大な被害も出ています。身近なところで発生する漏水の被害も少し紀を配るだけで防ぐ事もできるケースが多くあります。大切な財産である家財を守るため、普段からこまめなチェック・整理整頓を!